どうも!
『プロリーマン』目指して日々邁進中!
クマガワ(@Kumagawa_Pro)です!!
さて、唐突ですが、自己紹介の記事にて、
これから私は、英国勅許公認会計士(ACCA)という資格の取得を目指します!
と、お話ししました。
ただ、何の前置きも無くいきなり名前を出した、このACCAという資格、ほとんどの方にとっては
「何それ?」
であることでしょう 汗
というわけで、今回は、
英国勅許公認会計士とは?(=ACCAとは?)
について、お話ししていきたいと思います。
「ACCA」って何の略なの?
「Association of Chartered Certified Accountants」の頭文字を取って、ACCAと呼ばれています。
直訳すると『勅許公認会計士の協会』となり、会計士そのものではなく、会計士が所属する団体を指す言葉となります。
……が、少なくとも日本では、「ACCA」と言った場合、協会ではなく会計士の資格を表す言葉として使われることがほとんどのようです。
なんでわざわざイギリスの会計士なの?
① IFRSに準拠した会計士の資格である。
② イギリス以外にも、世界の様々な国で受け入れられている資格である。
という2点が、主な理由です。
まず、「IFRS」という言葉は、ご存知の方も多いと思います。
International Financial Reporting Standard(国際財務報告基準)のことで、簡単に言ってしまえば、 “世界共通の会計基準(を目指して作られた会計基準)”です。
そして、このIFRSの作成や普及に中心的な役割を果たしている国が、他でもないイギリスなのです。
イギリスの資格であるACCAも、当然IFRSに基づいて試験が出題されます。
IFRSは世界中で広まってきており、日本においても、IFRSの知識を身に付けた会計人材の重要性が高まっています。
ACCAは、IFRSの価値が高まり続ける状況の中で、IFRSのプロフェッショナルであることを客観的に証明できる、強力な武器となり得ます。
そして、IFRSが世界中に広まっていることから、ACCAの資格を、自分の国の会計士資格として受け入れる国も増えています。(会計士資格の「相互承認」と呼ばれています)
たとえば、アイルランド、トルコ、アルメニア、グルジア、マルタ、キプロス、ギリシャ、カリブ海及び中央アメリカ、アフリカの各地域、香港、マカオ、台湾、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、ラオス、カンボジアといった国々で、ACCAの資格が通用するとのことです。(https://myownstory727.wordpress.com/2017/05/09/【おススメ海外会計資格】accaが最強な訳/ より抜粋)
そのため、世界を舞台に働きたいと考える人にとっては、ACCAはまさにうってつけの資格だと言えます。
私自身は、積極的に海外へ出て働きたいとは思っておりません。ただ、日本の将来は非常に暗いものだと予測しておりまして、日本を出て外国に移住しなければならなくなる可能性も低くはないと考えております……。
なお、『なんでわざわざイギリスの会計士なの?』という点に関しましては、以下の記事もご参考にして頂けましたら幸いです。
ACCAの資格を取ると、どんなメリットがあるの?
日本の会社に勤めている限りは、直接的なメリットはきっと何もありません! 笑
ACCAを持っているからといって、日本の会計士として認めてもらえるわけではありません。
また、USCPA(アメリカの会計士)と違って知名度が低すぎるので、転職や社内での昇進で有利になるといったこともないでしょう。
ただ、ACCAを勉強していく過程で、IFRS、管理会計、会計監査論、コーポレートファイナンス、経営学といった、ビジネスに関する幅広い知識を学習していくことになります。
MBAに行かずともMBAと同等(以上)の知識が身に付くと言えるでしょう。
身に付けた知識を武器にビジネスパーソンとして活躍しやすくなるという意味で、ACCAの間接的なメリットは大きいと思います。
なお、転職についてですが、監査法人への就職を希望するのであれば、おそらくACCAでも大丈夫なはずです。
USCPAを取得した人が監査法人へと転職する事例はよくあるのですが、USCPAでOKならACCAもOKだと思われます。
(この点については、以下の記事も参考にして下さい)
ちなみに私自身は、ACCAを取ったとしても、監査法人へ転職する気は全くございません。
といいますか、そもそも、今の会社から転職すること自体、全く考えていません 汗
試験は何科目あるの?
どんな科目が出題されるの?
全部で15科目あり、その中の13科目に合格しなければなりません。
13科目というと非常に多いように感じるかもしれませんが、全ての科目を一度に合格する必要はありません。
科目ごとに分かれた試験になっておりまして、一度合格した科目については、その後はもう受験する必要がありません(※)。1個ずつ科目合格を積み重ねていき、晴れて13科目揃ったら最終合格となります。いわゆる「科目合格制」です。
※厳密には、Professional Level の6科目については、合格後7年間のみ有効という期間制限があります(セブンイヤールールと呼ばれています)。
また、15科目に分かれているとはいうものの、お互いに内容が重複している科目の組合せが非常に多いのも特徴的です。
そのため、科目が変わるたびに全く新しい事柄を一から勉強しなければならない、というわけではありません。
具体的には、以下のような科目が出題されます。
【Fundamentals Level (基礎レベル/全9科目) 】
Part 1 – Knowledge Module(基礎知識)
① AB(Accountant in Business)
経営学や経済学等、ビジネスの一般教養的な内容です。
② MA(Management Accounting)
初級の管理会計です。「工業簿記」みたいなイメージです。
③ FA(Financial Accounting)
初球の財務会計です。「商業簿記」みたいなイメージです。
Part 2 – Skills Module(基礎技術)
④ LW(Corporate and Business Law)
会社法や民法等です。準拠法は様々な国から選べます(ただし日本法はありません)。
⑤ PM(Performance Management)
直訳すると「業績管理」ですが、内容的には“中級の管理会計”です。
⑥ TX(Taxation)
租税法です。④LWと同様、準拠する国は選択できます(こちらも日本法はなしです)。
⑦ FR(Financial Reporting)
直訳すると「財務報告」ですが、内容的には“中級の財務会計”です。
⑧ AA(Audit and Assurance)
監査論です。
⑨ FM(Financial Management)
「財務管理」という科目名です。“コーポレートファイナンス”と言い換えた方が、内容をイメージしやすいかもしれません。
【Professional Level (専門レベル/全6科目) 】
Part 3.1 – Professional Module – Essentials(必須科目/全2科目)
⑩ SBR(Strategic Business Report)
「戦略的ビジネス報告」。要するに“上級の財務会計”です。
⑪ SBL(Strategic Business Leader)
「戦略的ビジネスリーダー」。要するに経営学的な内容です。
Part 3.2 – Professional Module – Options (選択科目/4科目のうち2科目を選択)
⑫ AFM(Advanced Financial Management)
“⑨FM”の上位版です。
⑬ APM(Advanced Performance Management)
“⑤PM”の上位版です。
⑭ ATX(Advanced Taxation)
“⑥TX”の上位版です。
⑮ AAA(Advanced Audit and Assurance)
“⑧AA”の上位版です。
たとえば、③FAと⑦FRと⑩SBRについては、いずれも“財務会計”の分野から出題されます。そのため、実質的には、“3つまとめて1つの科目”という見方もできるでしょう。
このように、初級レベルから始めて中級、上級へとゆっくりとステップアップしていくという特徴は、日本の公認会計士やUSCPAの試験には見られません。
また、前述のように、ACCAの試験は「科目合格制」が採られています。様々な科目の知識をいっぺんに頭へ詰め込まなければならない、という負担を負わなくても済みます。
働きながらでも取り組みやすい、社会人向けの試験制度だと言えるでしょう。
試験はどこで受験できるの?
日本でも受験できるの?
ACCAの試験は、イギリスだけではなく、世界の様々な国で受験することが可能です。
(ACCAの協会いわく、140か国以上との事です https://www.accaglobal.com/us/en/student/exam-entry-and-administration/exam-centres.html)
日本でも、今のところ(2019年現在)は、受験することが可能です。
具体的には、
①AB~④LWについては、JLTCという場所で、
⑤PM~⑮AAAについては、ブリティッシュ・カウンシル東京センターで受験が可能です。
(JLTCは水道橋、ブリティッシュ・カウンシルは飯田橋と、どちらも似たような場所にあります)
……ただ、これら2つの機関が、今後もACCAの試験を実施し続けてくれるかどうかは、まったく保証がありません。
資格試験の運営も慈善事業ではございませんので、「受験生がメチャクチャ少ないので、来年からうちではACCAの試験は取り扱いません!」という感じで、突然取り止めてしまう可能性も大いにあるでしょう。
また、それよりも心配なことが、ACCAの協会の方で、⑤PM~⑮AAAの試験を完全にコンピューター化する動きがあることです。
(協会HP内https://www.accaglobal.com/uk/en/student/exam-entry-and-administration/computer-based-exams.htmlの「Paper-based exams」の欄をご参照ください)
現在は、紙の試験とコンピューター試験、両方が実施されている状況です。
そして、ブリティッシュ・カウンシル東京センターで受験できるのは、紙の試験の方だけなのです。
そのため、紙の試験が廃止されてしまうと、日本で⑤PM~⑮AAAを受験できる場所が無くなってしまうことになります……。
もしそうなったら、香港や台湾など、近場の国でACCAのコンピューター試験を実施しているところへ遠路はるばる受けに行くことになるでしょう 苦笑
(※2020年4月11日 修正)ブリティッシュ・カウンシルにおいても、コンピューター試験は実施されています。詳しくはこの記事をご参照ください。
受験資格は?
このサイト→(https://accajapan.com/accaexaminfo/)で解説されている通り、大学または専門学校を卒業していれば受験可能です。
学部や専攻などは一切関係ありません。
この点は、USCPAよりも遥かに寛容だと言えます。
USCPAの方は、取得単位の数が150近く必要だったり(普通に大学を卒業しただけでは、130かそこらだと思います)、その中に会計系の単位がある程度含まれていなければならなかったり、何かと要求が厳しいですからね……。
日本にACCAの予備校はあるの?
日本語の教材は売ってるの?
独学でも合格できる?
まず、現在(2019年)のところは、日本でACCAの講座を用意している予備校は一つもありません。
そして、市販の教材で日本語のものは存在しません。
そのため必然的に、「洋書の教材を買ってきて独学で勉強する」という学習方法にならざるを得ません。
(英語が非常に堪能であれば、海外の予備校のオンライン講座を受講するといった方法もあるかと思います)
試験の難易度はどれくらい?
最終合格までに必要な勉強時間はどれくらい?
最終合格まで何年くらいかかるの?
まず、試験の難易度ですが、このサイト→(https://accajapan.com/knowacca/)で解説されている内容から、
・簡単な科目で、7割前後
・難易度の高い科目で、3~5割程度
ということがわかります。
次に、必要な勉強時間ですが、同じくhttps://accajapan.com/2019/03/08/time-for-pass/によれば、
200時間 x 13科目=2600時間
ほど掛かる計算です。
最後に、合格までの年数ですが、13科目というたくさんの試験に合格しなければならないという関係上、どうしても3~5年は掛かります。
今回はここまででございます。
ご閲読ありがとうございました!
この記事へのコメントはありません。