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【英文会計】ProvisionとAllowanceの違い【引当金】

どうも、クマガワ@Kumagawa_Pro)です!

 

さて、突然ですが、

世の中には、「これとこれって、何が違うの?」というものが たくさんありますよね?

GoogleやYahoo等でも、「〇〇 △△ 違い」というのが、よくある検索パターンの一つとなっています。

 

かく言う私も、今までACCA(英国勅許公認会計士)の勉強をしてきた中で、何度かこのパターンで検索を行いました。今回はそのうちの一つ、

ProvisionとAllowanceの違い

について、お話ししたいと思います。

どちらも「引当金」& いきなり結論!

Provisionも、Allowanceも、日本語に直訳するとどちらも「引当金」になります。

とすると、自然とこんな疑問が出てきます。

同じ「引当金」なのに、どうして英語が2つ存在しているの?

 

実は、ProvisionとAllowanceは、同じ「引当金」ではあるものの、厳密には違う意味を持っているのです。

まずはバシッと結論を申し上げます!

Provision「負債」の項目である。
Allowance「資産のマイナス」の項目である。

という違いがあります。

 

「負債とは?」「資産とは?」からの説明

まず、Provisionは純然たる負債なのです。貸借対照表上も、貸方に計上されます。

すなわち、Provisionに該当する項目は、

「負債(Liability)の定義」
A liability is a present obligation of the entity to transfer an economic resource as a result of past events.
負債とは、過去の事象の結果として経済的資源を移転する企業の現在の債務である。

を満たしているので、独立の負債として認識・計上される性質を持っているということです。

 

一方、Allowanceは負債ではありません。いうなれば「マイナスの資産」です。貸借対照表上も、借方に計上されます。

すなわち、ある他の資産が、

「資産(Asset)の定義」
An asset is a present economic resource controlled by the entity as a result of past events. An economic resource is a right that has the potential to produce economic benefits.
資産とは、過去の事象の結果として企業が支配している現在の経済的資源である。(経済的資源とは、経済的便益を生み出す潜在能力を有する権利である)

を満たさなくなった場合に、その資産を直接減額する代わりに、マイナス項目としてAllowanceは計上される、ということです。

 

具体例で詳しく見ていきましょう

まず、Provisionの例として、ACCAの試験でよく出てくるのが、損害賠償に関する引当金です。たとえば、【訴訟を起こされてしまった……。まだ決着がついたわけではないけれど、50%以上の確率で負けるだろうし、賠償額もおおよそ見積りできる】というケースでは、

「他者に危害を与えたという過去の事象の結果として」
「金銭という経済的資源を他者へ移転することが」
現時点で既に債務として確定している(と評価できる)」

ということで、負債であるProvisionを認識・計上します。

 

一方、Allowanceの例としては、なんといっても売上債権に対する貸倒引当金が典型的です。【売掛金の〇%を引当金として計上する】とかいう、日本の簿記でもお馴染みのやつですね。

「過去の実績から、〇%は回収できずにお金が入ってこない」
→「お金が入ってこないということは、経済的便益を生み出す潜在能力が失われたということに他ならない」
→「そのため、“〇%”の部分は、経済的資源とは言えなくなってしまった

ということで、資産の定義から外れた部分を控除するために、“資産のマイナス”項目であるAllowanceを必要な分だけ計上します。

 

ざっくりとした理解で十分!? + 日本の会計基準を勉強した人なら…

以上で見てきましたように、「ProvisionとAllowanceの違い」というテーマは、「負債とは何か?」「資産とは何か?」まで遡(さかのぼ)るような、かなり根源的で本質的なものだと言うことができます。

 

とはいうものの、実際のところは、以下のようなざっくりとした理解で事足りるかと思います。

Provision
IAS37の『3要件』を満たす引当金。特に目的や用途が限定されておらず、『3要件』にさえ当てはまれば計上が可能なため、守備範囲が広い。

Allowance
ほぼ貸倒引当金損失評価引当金と呼ぶこともある)のことである。個別の会計基準に別途定めがないと計上できない引当金のため、設定できる対象が限定的である。具体的には、IFRS9により一部の金融商品に対して計上が認められているのみである。

このように、Allowanceの方がほぼ貸倒引当金に限られているため、

Allowance:貸倒引当金
Provision:それ以外の引当金全般

というシンプルな区別の仕方をしても、大きな問題は生じないと思われます。

 

※IAS37の『3要件』とは?

① 過去の事象の結果として、現在の法的債務(legal obligation)または推定的債務(constructive obligation)が有している。

② その債務を決済するために、経済的便益を有する資源が流出する可能性が高い(probable:可能性が50%以上)。

③ その債務の金額について、信頼性のある見積り(reliable estimate)を行うことができる。

という要件をすべて満たす場合に、Provisionを計上することができます。

 

なお、日本の会計基準をしっかりと学習したことがある方でしたら、

Provision = 負債性引当金
Allowance = 評価性引当金

のことだと申し上げれば、一瞬で理解して頂けるかと思います。

 

それでは、今回はここまでです。

ご閲読ありがとうございました!

 


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