ACCAの試験制度やキャリア等

ACCA vs USCPA ②【USCPAの方が適している人】

どうもこんにちは!

USCPAを受験しようとして「学歴審査」を申し込んだことがあるけれど、自分に受験資格があるのかどうか、結局わからずじまいだったという苦い経験がある、

クマガワ@Kumagawa_Pro)です。

 

さて、前回の記事では、

ACCAUSCPAを徹底比較!』

というテーマでお話しをさせて頂きました。

 

私の結論として、「USCPAの方が適している人」以外であれば、

ACCAの方がオススメであると申し上げました。

 

では、その「USCPAの方が適している人」というのは、いったいどんな方々なのでしょうか?

今回は、そんなお話をしていきたいと思います。

 

 

アメリカの会計基準(US-GAAP)を仕事で使う人

前回の記事では、「IFRSに準拠しているからACCAの方がオススメです」とお話ししました。

IFRSはまさに「国際的」な会計基準であり、ローカルルールに過ぎないアメリカの会計基準よりも、世界中(日本も含む)のビジネスに及ぼす影響が格段に大きい、ということでした。

 

しかしながら、アメリカは、世界一の経済大国です。さらに、「日本はアメリカ合衆国51番目の州」だと揶揄されるくらい、わが国に対する影響力が強い国でもあります。

そのため、日本国内の企業の中には、US-GAAPの重要性が非常に高いという会社も、全然珍しくはないと思います。

 

たとえば、アメリカ系の外資系企業は、まさにその典型例でしょう。

本国への会計報告は、当然ながらUS-GAAPにしたがって実施しなければなりません。

 

また、アメリカの証券市場にも上場している日本企業においても、US-GAAPは重要な会計基準となります。Wikipediaによれば、ソニーやトヨタ自動車など、錚々(そうそう)たる企業がアメリカ市場で上場しています(参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/ニューヨーク証券取引所

このような企業の場合、アメリカの当局に提出する財務諸表はUS-GAAPに準拠して作成をする必要があります。

 

以上のように、日本国内には、US-GAAPの重要性が高い企業も存在します。

そのような企業にお勤めの方であれば、部署や職務内容によっては、IFRSよりもUS-GAAPを学習する優先度の方が大きくなるでしょう。

当然、そういう方々にとっては、ACCAよりもUSCPAの方が適しています。

社内の制度としてUSCPAの取得が奨励されている人

人事考課の要素や昇進の条件のひとつとして、業務に関連する資格の取得状況を考慮に入れている企業も少なくないと思います。

そして、そのような人事制度を採用している企業の中には、USCPAを「業務に関連する資格」として認めているところもあるでしょう。会社によっては、USCPAの取得に掛かる費用を補助してくれるかもしれません。

 

実際に、私が現在勤務している会社は、「資格ポイント制」なる制度が導入されておりまして、業務に関連する様々な資格に“ポイント”が設定されています。そして、「係長に昇進するためには〇ポイント以上、課長に昇進するためには●ポイント以上、……」というように、役職ごとに“基準点”がございまして、一定数のポイントを蓄積しないとその役職には昇格できないという仕組みになっています。

そんな『弊社』ですが、USCPAにもこの“資格ポイント”を設定しています。それもあってか、USCPAの取得や登録にかかる費用(の一部)を補助してくれます。

 

……なお、残念ながら、ACCAはポイントや費用補助の対象外です 泣。

それでも私があえてUSCPAではなくACCAの方を目指しているのは、

・現在の業務上、IFRSを習得する必要性が非常に大きい。
・部長への昇格に必要なポイント数ですら、既に取得してしまっている(しかも、基準点の2倍以上取ってしまっています! 笑)。

からでございます。

 

とにもかくにも、私みたいな変人でもない限り、

USCPAの取得が社内制度で優遇されている会社にお勤めの方であれば、ACCAよりもUSCPAを優先して考えるべきだと思います!

一刻でも早く監査法人へ転職したい人

以前の記事でも申し上げた通り、ACCAにしても、USCPAにしても、全科目に合格すれば監査法人へ転職できる可能性を手にすることができます。

 

皆様気になるであろう(笑)監査法人の年収ですが、「Big4」と呼ばれる大手監査法人の場合、

・入社初年度は500~600万円ほど
・入社10年前後で1,000万円に到達する

という水準だと言われています。

 

この数字、皆様はどのようにお感じになられるでしょうか?

昨今の不況を考えますと、なかなか恵まれている方ではないでしょうか!

 

人によっては、まさに「人生が変わる」レベルだと思います。

たとえば、給与水準が低めの会社で経理のお仕事をされている方でしたら、30歳で年収400万円台とか、珍しいことではありませんよね……? 汗

そのようなケースでは、監査法人への転職は非常に魅力的な選択だと言えます。

 

そして、「監査法人に転職して人生を変えよう!」という決意をもって受験にのぞむ場合には、ACCAではなくUSCPAの方を目指すべきだと考えられます。

ACCAだと、科目数が多い分、どうしても取得するまで長い年月(3~5年程度)が掛かってしまいます。一方、USCPAであれば、必死で頑張れば1~2年ほどで取得が可能です。

 

以上のように、最初から監査法人への転職を強く希望している場合には、USCPAの方が適していると言えます。

今の会社から転職することを既に決心している人

監査法人への転職に限らず、何らかの事情で、現在の職場から他の企業へ転職することを固く心に誓っている方であれば、ACCAよりもUSCPAの方が適していると思われます。

 

まず、前述のように、USCPAの方が資格を取得するまでに掛かる年月が圧倒的に短いです。

 

また、一般の事業会社への転職であれば、そもそも資格の有無はそこまで重要ではありません。職務経験が何よりも重視されます。

……とはいうものの、USCPAには、少なくとも知名度があります。書類審査で興味を持ってもらえたり、面接中にUSCPAに関する話題になるということも、普通にあり得るでしょう。つまり、USCPAは『転職で有利になる可能性ぐらいならある』というわけです。

一方、ACCAの方は、残念ながら知名度が絶望的に低いです。『転職で有利になる可能性はほぼゼロ』だといえますね 苦笑。

 

以上より、

「いつかは転職するかもな~」どころではなく、

「絶対に転職してやる!」ぐらいに思っている方でしたら、

USCPAの方がオススメといえます。

将来移住したい国が既に決まっていて、その国でUSCPAの資格が通用するという人

前回の記事では、「ACCAは世界中で受け入れられている資格だからオススメ!」というお話をさせて頂きました。

しかし実は、USCPAも、世界の国々で受け入れられている資格なのです。

(参考:https://www.uogjp.com/certification/10491/

 

USCPAの資格を「相互承認」している国への移住を希望している方であれば、当然ながら、USCPAの取得は魅力的な選択肢となるでしょう。

 

また、USCPAとACCAのどちらも「相互承認」している国もあります。たとえば、オーストラリアやニュージーランド、香港やカナダが該当します。

希望の移住先がこういった国々である場合でも、どちらかと言えば、USCPAの方を取得しておく方が安心だと思われます。

というのも、USCPAは、アメリカという国(正確には各州)が付与する正真正銘の「国家資格」であり、かつ、長い歴史を持っているからです。一方、ACCAは、あくまでも「ACCA協会が認定している」資格に過ぎず、歴史も比較的浅いです。

 

すなわち、「権威」の面で、ACCAはUSCPAにどうしても劣ってしまうのです。

各国の移民に関する制度は流動的に変化するものなので、より「権威」のある資格を持っていた方が将来においても安全といえます(たとえば、ACCAは「相互承認」から外されたが、USCPAの方はまだ有効である、というような事態も想定できます)。

 

以上のように、将来移住したい国がハッキリと決まっていて、その国でUSCPAの資格が通用するという場合には、USCPAの方が適しています。

東京もしくはその近郊に住んでいない
東京に住んでいても、平日は定時退社や有給取得が困難な人

これらは少し意外な条件でしょうか?

ポイントは、ACCAの試験制度にあります。


↑この記事で言及しているように、ACCAの試験は、

・東京でしか行われていない。
・平日に実施される。
・科目数が多いために何度も試験を受けなくてはならない。

という特徴があります。

そのため、こういった諸条件に対応しやすい生活環境ではない場合、厄介な受験資格さえ満たせれば、USCPAの方が受験をしやすいです。USCPAは、

・東京の他に大阪でも受験が可能である。
・土日にも受験できる。
・試験が全部で4回で済む。

という特徴があるからです。

まとめ&ぶっちゃけ……

今回の内容をまとめますと、「USCPAの方が適している人」というのは、以下の通りです。

・アメリカの会計基準(US-GAAP)を仕事で使う人
・社内の制度としてUSCPAの取得が奨励されている人
・一刻でも早く監査法人へ転職したい人
・今の会社から転職することを既に決心している人
・将来移住したい国が既に決まっていて、その国でUSCPAの資格が通用するという人
・東京もしくはその近郊に住んでいない
・東京に住んでいても、平日は定時退社や有給取得が困難な人

 

……さて、正直なところ、受験資格の問題さえクリアできるのであれば、

USCPA⇒ACCAの順で両方取ってしまうのが一番いい!

と思います 汗。

この記事でご説明している通り、USCPAを持っていると、ACCAが8科目も免除されることですしね。

 

それでは、ご閲読ありがとうございました!

 

 


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