どうも、クマガワ(@Kumagawa_Pro)です!
勤務先に指示されて、とある資格試験を急遽受験することになり、最近までACCA(英国勅許公認会計士)の勉強が滞っておりました……泣。
先月下旬に無事合格できましたので、ACCAの勉強も、このブログの執筆も、これからさらに力を入れていきたいと思ってます!!
さて、前回の記事では、『ACCA(英国勅許公認会計士)を持っていると、他の資格や学位への挑戦が有利になる』というお話をさせて頂きました。
そして、記事の最後に、「今回はわざとスルーした項目が一つあり、実はこれがすごい内容なんです!」というような言葉で締めくくりました。
結論から申し上げますと、“スルーした項目”というのは、
ロンドン大学の会計学のMSc
のことでございます。
ACCAの資格を持っていると、時間的にも費用的にも非常にリーズナブルな負担だけで、ロンドン大学が発行する会計学MScの取得を目指すことができるのです。
今回は、この点について、詳しくお話ししていきたいと思います。
そもそも『MSc』って、何?
まず、そもそも『MSc』というのは、いったい何物なのでしょうか?
あまり聞き慣れない言葉だと思います。実際に私も、ACCAの勉強を開始し、さらにこのブログを書くようになって、初めてMScという言葉を知りました。
いずれにしましても、MScとは、シンプルに修士号のことだと考えて問題ありません。
『Master of Science』の略で『MSc』と呼ばれます。
“Science”の名が示す通り、MScは主に理系の修士号を指す言葉のようです。
会計学のMScの場合、MBA等で学習するような実践的な会計ではなく、純粋な学問としての会計学を研究・修得した者に与えられる修士号、というニュアンスが込められているのだと思われます。
なお、MBAとMScの違いについては、以下の名古屋商科大学ビジネススクール様の記事が参考になります。
『MBA取得方法《MBAとMSc》』
https://mba.nucba.ac.jp/about-mba/entry-7958.html
ACCAを持っていると、MScの取得がどれくらい有利になるの?
さて、『MSc = 修士号』というのがわかったうえで、
ACCAの資格を取ると、ロンドン大学の会計学MSc(=会計学修士号)がどれだけリーズナブルに取得できるようになるのか、具体的に見ていきます。
期間:最短半年!
まず、MScの取得に掛かる期間ですが、たったの半年間に短縮されます。
修士号を取得するためには通常2年必要ですので、それが4分の1になるというのは非常に大きなメリットでしょう。
費用:約50万円ほど!
次に、MScの取得までに発生する学費についてです。
様々な条件(学生の居住国等)次第で金額が変わってくるのですが、日本に居住している一般的な日本人を想定した場合、
GBP 3,400
が学費の合計となります(※2020年現在の情報です)。
「1 GBP = およそ140円」と考えますと、だいたい50万円弱という金額です。
普通「大学院の学費」というと、卒業までに数百万円は取られてしまうイメージです。
100万円にすら遠く届かない金額で修士号を取得できるというのは、非常に驚きではないでしょうか?
入学要件:入試なし! 英語力も不問!!
ロンドン大学のMSc課程に入学するにあたってですが、
まず、ACCAの取得者の場合、入学試験が課されません。
また、「海外の大学院に入学する」という場合、通常であれば、TOFELやIELTSのスコアを提出するなどして、自らの英語力を証明しなければなりません(当然、英語力が一定レベルに達していなければ、入学が認められません)。
しかしながら、ロンドン大学の会計学MSc課程へ申し込むにあたっては、ACCAの資格を持っていると、それだけで必要なレベルの英語力を持っていると見なされます。すなわち、英語力に関する要件が免除されるのです。
以上をまとめますと、要するに、
ACCAの資格を取得すると、それだけでロンドン大学の会計学MScへの入学資格が与えられる。
ということになります。
『申込みの手続きさえすれば簡単に大学院へ入学できる』というのは、なんとも気軽ですよね♪
※ただし、ACCAの最後の科目に合格してから5年以上経過した後に、ロンドン大学の会計学MSc課程へ入学しようとする場合には、オンライン上でちょっとした研修のようなものをクリアしなければならないようです。
授業の受け方:オンデマンドだから、働きながらでも心配ご無用!
これはACCA取得者に限った話ではないのですが、
ロンドン大学の会計学MSc課程においては、世界中のどこにいても、インターネットを通じてパソコンで授業を受けることができます。
しかも、授業を受ける日時についても、自分の好きなタイミングで受講することができる、いわゆるオンデマンドの形式になっています。特定の日時に縛られる必要がないのです。
さらに、ACCA取得者の場合、学位取得のために受講が必要な科目は、いずれも期末テストが課されません。授業を受けたり、課題を提出したりといった、単位の認定までに必要な過程が、すべてオンラインで完結するというわけです。
以上のように、ACCAの資格を取得したうえでロンドン大学の会計学MSc課程に入学する場合、通学の必要が一切なく、時間的にも非常に融通が利く中で授業や課題を進めることができます。
当然、会社を辞める必要なんてまったくありません。仕事や私生活に与える影響も、最小限に抑えられることでしょう。
結論:世界で一番、軽い負担で修士号を取得できる方法では?
これまでの内容をまとめますと、ACCAの取得者がロンドン大学の会計学MScに挑戦する際は、
① 期間がたったの半年
② 費用も50万円足らず
③ すべてオンラインで完結する
というメリットを享受することができます。しかも、入試等がなく、申込みを行うだけで入学できるというおまけ付きです。
少なくとも日本国内であれば、以上①~③のうち、たった一つでも満たしている大学院の修士課程(or専門職学位課程)は ほとんど存在しないようです。
『一つあるだけでも凄まじい!』という条件を、3つも備えているわけですからねぇ……。
まさにトリプル役満!! 本当に驚愕です。
さすがに海外の事情までは詳しく存じ上げませんが、これだけの好条件を揃えることができる大学院というのは、世界中を見渡してもロンドン大学ぐらいなのではないでしょうか?
『ACCAの資格を持っていれば、世界で一番簡単な方法で、修士号を取得することができる』
――このように結論づけても、決して言い過ぎではないと思います!
補足:「ACCAの取得者」の意味について
今まで「ACCAの取得者は~」というような表現を繰り返し使ってきましたが、あえてその定義を曖昧なままにしておりました。
実は、「ACCAの取得者」には、ACCAの“正会員”(Member)だけではなく、試験に全科目合格したのみで「実務要件」はまだ満たしていない状態(Affiliate)も含まれます。
※なお、MemberとAffiliateの違いや、「実務要件」については、以下の記事をご参照いただければ幸いです。
「実務要件」をクリアすること(厳密には、「実務経験」を会計士たる上司に証明してもらう手続き)は結構ハードルが高いですから、
それが無くても、『世界で一番簡単な方法で修士号の取得に挑戦できる』というメリットを享受できるのは、非常にありがたいことですよね!!
また、実を申しますと、そもそも全科目に合格している必要すらありません。
Fundamentals Levelの全9科目に加えて、Professional ModuleのSBRとSBLの2科目に合格していれば、ロンドン大学の会計学MScの取得にチャレンジすることが可能です。
ただ、この場合、修了までに取得しなければならない単位数が増え、必要な期間も最低1年に延びる等、様々な面で、全科目合格者よりも条件が不利となります。
そもそも、SBRとSBLに合格しているということは、最終合格まで(最大でも)あと2科目なわけです。そのような「あともう少しで、晴れて全科目合格!」という状況にもかかわらず、ACCAの受験を中断して修士号の取得にシフトするということは、かなり考えにくいことだと思います。
そのため、今回の記事では、ACCAの全科目に合格した(=Affiliate)以上の状態のみを想定して、様々な解説を行ってきました。「部分合格」のままMSc課程に挑戦するという状況は、一切考慮しておりません。悪しからず、ご了承いただけましたら幸いです……。
ACCAとロンドン大学の会計学MScの関係について参考になるサイト
ACCA Japan様
『ACCAを勉強するついでにロンドン大学でMSCを取得する』
(※外部リンク)
ACCA協会のHP
『MSc in Professional Accountancy from University of London』
(※外部リンク)
ロンドン大学のHP
『Professional Accountancy MSc and PGCert』
(※外部リンク)
『ロンドン大学の会計学のMSc』って、そもそも取る意味あるの?
以上のお話から、
『ACCAの資格を持っていると(全科目に合格していると)、ロンドン大学の会計学のMScを取得する際、メチャクチャ有利になる!!』
ということが、おわかり頂けたかと思います。
……ただ、
ACCAを取ると、MScという学位も簡単に取れるというのはわかった。
でも、そもそもMScとやらって、取ったところで何か意味があるの?
と、こんなことを考える方も、中にはいらっしゃるでしょう。
まず、前述のとおり、MScは『修士号』と同じ意味です。つまり、れっきとした正真正銘の学位なわけです。
ということは、履歴書や名刺、経歴やプロフィール等にも堂々と胸を張って書くことができます(履歴書の場合は、むしろ書かないと逆の意味で“経歴詐称”になってしまうかもしれません 汗)。元々大卒の人であれば、最終学歴も「大学院卒」にランクアップします。
すなわち、『箔がつく』という意味では、そんじゃそこらの資格では比較にならないくらい、格式が高く、権威があるのです。
そして、「正真正銘の『修士号』」であるということは、MScを取得すれば、博士(後期)課程への入学資格が認められることになります。つまり、博士号の取得にも挑戦できるようになるということです。
※少なくとも日本の大学の博士課程の場合は、海外の大学で修士号を取得した人であっても、入学が認められます(参考:文部科学省のHP ⇒ 外部リンク)
このメリットを活かして、会計学や経営学、あるいは法律学の博士号を取得することができれば、(日本の)公認会計士の資格を取得する際に、絶大すぎる効果を発揮します。
たとえば、会計学の博士号を取得した場合、公認会計士の試験を受験する際は、
・短答式試験(≒1次試験)は完全に免除
・論文式試験(≒最終試験)のうち、会計学と選択科目が免除
となります。
日本の公認会計士試験は、短答式試験の難易度が極めて高いです。また、論文式試験で圧倒的に大きなウェイトを占める科目は、当然、会計学です。
これらがすべて免除されるというのは、もはや「9割がた公認会計士の試験に合格したようなもの」と言えるでしょう。
つまり、『修士号が簡単に取れる』というのは、
最終的には『(日本の)公認会計士の資格も簡単に取れる』ということにつながるのです。
すなわち、
ACCAの資格を取る!
⇓
ロンドン大学の会計学のMScを取る!
⇓
日本の大学で博士号を取る!
⇓
日本の公認会計士の資格を取る!
という過程をたどれば、時間こそ掛かるものの、狂ったように難易度が高い日本の資格試験を真っ向から受験しなくとも、公認会計士の資格を取得することが可能というわけです。
この『ACCAを存分に活用して、日本の公認会計士の資格も取ってしまう』というお話は、なかなか衝撃的ではありませんか? 少なくとも2020年2月現在で、『ACCAを皮切りに、試験免除の制度を活用して日本の公認会計士の資格を取得する方法』を紹介しているのは、世界で当ブログだけでしょう!!
というわけで、次回の記事では、このテーマについてもっと掘り下げてお話ししていきたいと思います。
……さて『次回予告』もしっかりとできたところで、今回はここまででございます。
ご閲読ありがとうございました!!
こんにちは!こちらのブログ大変参考になりました!私今イギリス在住でACCA受験を考えています。学歴は短大卒になるのですが、ACCAに合格できた際には「半年+50万」で修士号を取得できるのでしょうか??やはり、学位を先に取らないと修士号は厳しいでしょうか。ご存じだったらお伺いしたいです!
コメントありがとうございます!
少し調べてみたのですが、申込みの要件は「ACCAに全科目(厳密にはSBRとSBLまで)合格すること」としか書いておらず、学歴は関係無いように見受けられます。
ただ、貴殿の人生に大きな影響を与えることですので、あまり無責任なことは申し上げられません……。
ACCAの協会かロンドン大学に問い合わせるのが最も確実だと思います。
また、もし万が一、大卒程度の学位が必要と言われた場合でも、ACCAの受験を進める過程でBSc(Hons)の学位をレポート提出のみで取得できるルートが用意されているようです。
https://www.accaglobal.com/hk/en/student/exam-entry-and-administration/oxford-brookes-bsc-hons-in-applied-accounting.html
こちらも合わせてご検討されてみてはいかがでしょうか?
それでは、今後ともよろしくお願い申し上げます!
わざわざ調べていただきありがとうございます!最近この資格が気になって調べ始めたのでクマガワ様のブログとても参考になります。是非情報共有できたらと思っています!これからもお互い頑張りましょう!よろしくお願いします。
こんにちは、ツイートから飛んできました。こちらのブログ大変参考になりました!
USCPA全科目合格のステータスなのですが、MSc50万以下で取れるということで自分でも気になって調べてみました。
2022年現在日本他先進国に住んでいると、100万は超えてしまうようですね。。。
(下記内訳)
MSc full programme fee 4,333.00 GBP
Band B 15-credit module 1,083.00 GBP x2 = 2,166.00 GBP
Band B 30-credit project module 2,167.00 GBP
合計 8666.00 GBP
それでも他の博士号よりは早くお安めに取れるかと思いますので選択肢の一つとして検討したいと思います!
OMI様、コメント誠にありがとうございました!
あり得ないほどご返信が遅くなってしまい、大変恐縮です…。
長い間ブログは放置していたものでして……。
OMI様のご質問は非常に重要性が高いと思われますので、今後当サイトをご覧になられる方々に向けてという意味も込めて、
今更ながら改めてご回答させて頂きたいと思います。
まず、必要な学費はMSc full programme feeのGBP4333.00 だけかと思います。
下の2つは、moduleを分けて一つずつ受講する場合の金額ではないでしょうか?
(その証拠に、下の2つの合計額がちょうどfull programme feeになります。)
ただそれでも、2020年当時のGBP3,400よりも値上がりしてるのは確かです。
しかも、2022年11月現在、急激に円安が進行しております。
そのため、おおよそ4,333×170≒740,000円と、確かに50万円では収まらなくなっています…。
しかし、依然として100万円を大きく下回っています。
国内の通常の修士課程と比べれば、まだまだ金額面では格段に有利です。
なお、「他の博士号よりは早くお安めに取れる」と仰っておられるのは、
「ロンドン大学で短期かつ安価に修士相当の学位を取得する。その上で、通常通りどこか別の博士課程に入学する。」ということを意図されているのだと解釈させて頂きました。
念のためですが、MSc自体は「博士号」ではなく「修士号」に相当いたします。
以上ご参考になれば大変幸いです。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます!