どうも、『プロリーマン』目指して爆進中!
クマガワです(@Kumagawa_Pro)。
さて、前回の記事では、英国勅許公認会計士(ACCA)を受験するために必要となる「前提条件」について、
「能力」の面からお話しさせて頂きました。
今回はその続きです。
「環境」の問題にスポットを当ててお話ししていきます。
ある程度の経済的な余裕
ACCAの資格を取得するためには、なかなか多額の費用が掛かります。
まず、受験料だけでも馬鹿になりません。
最終合格までには13科目も受験する必要があり、当然、科目ごとに受験料を支払わなければなりません。「13科目分の受験料が積み重なっていったら……」と考えますと、受験料の負担だけで相当な金額になるというのは容易に想像がつきます 苦笑。
(ちなみに、科目免除(※この記事をご参照ください)の対象となる科目であっても、実際に免除を受けるためには「免除申請費用」を支払う必要がございます)
しかも、1科目当たりの受験料自体も、かなり高額です。2019年12月現在では、おおよそ以下のような金額となっております。
AB、MA、FA:各14,000円
LW:17,500円
PM、TX、FR、AA、FM:1科目当たり約25,000円
SBL:約36,000円
SBR、AFM、APM、ATX、AAA:1科目当たり約29,000円
※あくまでもイメージです。実際の受験料は、この表とは異なる可能性がございます。
※GBP建の費用は、全て@140円で日本円に換算しております。
※PM以降の科目については、ブリティッシュカウンシル東京センターでの受験を想定し、Paper Fee:10,000円(1科目当たり)を含んだ金額となっております。ただし、テスト期間「1回」あたりにかかるAdministrative Fee:20,000円は加味しておりません。
また、ACCAの試験を受けるためには、受験料だけでは足りません。
・ACCA協会への入会金:約11,000円(←GBP 79)
・ACCA協会への年会費:約16,000円(←GBP 112)
も支払う必要がございます。
(なお、金額は変わりますが、ACCA協会への年会費については、最終合格した後も納付し続けなければなりません)
さらに、試験勉強のために使うメインの教材は、基本的には、洋書のものを海外通販で取り寄せることになります。
そのため、代金がかなり割高となります。教科書+問題集で、1科目当たり10,000円前後というイメージです。
加えて、ACCAの試験は、日本では東京でしか実施していません。遠方にお住まいであれば、東京への遠征費用が試験のたびに掛かってしまうことになります。
日本(東京)を諦めて海外で受験することにしたとしても、言うまでもなく、渡航費が発生します。
以上のように、ACCAの受験には多額の費用負担が伴います。
それでも大丈夫な程度には経済的に余裕があるというのが、受験に挑戦するための「前提条件」になるでしょう。
東京もしくは東京近郊に住んでいる(推奨)
この記事でご説明している通り、ACCAの試験を日本で受験する場合、試験会場は東京にしかありません。
そのため、遠方にお住まいの方は、試験のたびにわざわざ東京まで足を運ぶ必要がございます。
そして、13科目というACCAの科目の多さが、ここでネックとなってきます。
数回程度であれば、大事な試験のために東京へ遠征するというのも、致し方ないことだと割り切れるかもしれません。
しかしながら、13科目に合格しなければならないACCAは、「数回程度」では収まってくれません。何度も何度も、東京に行かなければなりません。
そうしますとやはり、ACCAの受験に挑戦するためには、東京もしくは東京の近くに居住していないと非常に厳しいのではないでしょうか……?
決して「必須」ではございませんが、「強く推奨」される条件だと思います。
※遠方にお住まいであれば、いっそのこと香港や台湾あたりで受験をした方が、かえってスムーズかもしれません。
定時退社や有給取得がしやすい職場に勤めている
「環境」の面で意外と一番大切なのが、この条件だと思っております。
といいますのも、ACCAの試験は、全て平日に実施されるからです。
JLTCで実施されるPart 1の試験については、試験開始が19時からです。
東京エリアにお勤めの方であれば、休暇を取得する必要まではないかもしれません。
しかしながら、定時には退社するぐらいでないと、試験開始には間に合わないのではないでしょうか……?
ブリティッシュカウンシル東京センターで実施されるPart 2とPart 3の試験については、たとえば2020年6月のFRの場合ですと、試験開始は14時30分からでした(この記事をご参照ください)。
さすがにこちらは、少なくとも午後半休を取得しなければならないでしょう。
また、そもそも勤務地が東京エリアではない、あるいは、海外での受験を選択した場合、
試験当日には、定時退社や午後半休どころか、一日まるまる休暇を取る必要があることでしょう。
しかも、それが数回程度では終わらないのです。ACCAは最終合格まで13科目もあるため、試験会場に向かうためのスケジュール調整が何回も必要となります。
以上のことから考えますと、コンスタントに定時退社や有給休暇の取得(一日全休にせよ、半日休みにせよ)ができる環境の職場にお勤めでなければ、ACCAの受験に挑戦することは相当難しいと言わざるを得ないでしょう……。
俗にいう『ホワイト企業』に勤務していることが条件である、ということですね 汗。
※なお、話を単純化するために、平日休みやシフト制勤務の方、そもそも今現在は就業をしていない方は、今回は考察の対象外とさせて頂きました。あしからず、ご理解いただけましたら幸いです……。
まとめ
前回と今回の2回にわたって、英国勅許公認会計士(ACCA)を受験するにあたっての「前提条件」についてお話しさせて頂きました。
改めて内容をまとめますと、
「能力」の面
① 英語力
② 前提知識(会計や経営学etc)
③ 独学力
「環境」の面
① 経済的な余裕
② 東京もしくは東京近郊に在住(必須ではないが推奨)
③ ホワイトな職場に勤めていること(実はかなり大事!)
というのが、ACCA受験のための「前提条件」になると思います。
……私自身、ACCAの受験を始めてみて、
これは大変な試験に足を踏み入れてしまったぞ!
と、つねづね思っております 汗。
一人でも多くの方にACCAという資格の存在を知ってもらい、できればチャレンジまでしてもらいたいという想いがある反面、
大変な試験だからこそ、ACCAの良いところだけを宣伝して無責任にこの世界へお招きするようなことはあってはならない、とも考えております。
だからこそ、お節介であることは重々承知のうえで、今回のような記事を書かせて頂いた次第です……。
一方、いろいろと厄介な「前提条件」があるからこそ、これらを全てクリアできる人がいらっしゃいましたら、是非ともACCAの受験を検討して頂ければ嬉しいです! 感激です!!
それでは、ご閲読ありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。