ACCAの試験制度やキャリア等

ACCAを受験するための前提条件~①「能力」編

どうも、おはようございます!

TOEICが900点を超えていたり、

公認会計士の短答式試験(≒一次試験)に独学で合格したことがあったりと、

「器用貧乏」なクマガワ@Kumagawa_Pro)です!!

 

さて、かねてよりお話しさせて頂いている通り、私は今、『英国勅許公認会計士』(ACCA)というイギリスの会計士資格を受験中です。

 

この英国勅許公認会計士(ACCA)という資格、海外の、それも(アメリカのUSCPAとは違って)日本では全くと言っていいほど普及していない資格だけあって、受験を進めるにあたって色々と不便なことを感じます。

そのため、「こういった不便をクリアできるような人でないと、そもそも受験すること自体が難しいんだろうなぁ」と時々考えてしまうのです。

 

というわけで、

日本在住で英国勅許公認会計士(ACCA)を受験するならば、

事前にこれらをクリアしていなければ相当厳しいであろう、

「前提条件」の数々

について、まとめてみました。

 

①「能力」の問題②「環境」の問題の2つに分けてお話ししていきたいと思います。

まず、今回の記事は、①「能力」の問題についてです。

 

 

“英語を英語のまま”読解することができる程度の英語力

ACCAの試験勉強を進めていくにあたっては、それなりに高度な英文読解(+ある程度の英語ライティング)の能力が必要になると感じております。

TOEICでいうならば、Readingセクションで軽く450点以上取れるレベルでしょうか。

 

まず、「ACCAとは何か?」の記事でもお話ししましたが、現状(2019年12月現在)では、日本語で書かれたACCAの教材は一つもございません。必然的に、洋書の教科書を使いながら学習をしていくことになります。

そのため、英文を読み解く速さや正確さに難がありますと、学習が全然進んでいかないでしょう。

 

また、勉強の場面だけではなく、試験本番においても高度な英語力が要求されます。

最終段階であるProfessional Module各科目の試験においては、かなりの分量の問題文を読みこなしたうえで、論述形式での解答を作成しなければなりません(言うまでもなく、問題文も解答も英語です)。長文をスムーズに理解できるReadingの能力に加えて、それなりにしっかりとしたWritingの能力も必要になるのです。

 

さらに、日本ではACCAに関する情報がとても入手しにくいのが現状です。そのため、試験や勉強法に関する情報を十分に集めるためには、ACCA協会や海外のサイトにアクセスする必要が出てきます。

当然ながら、それらは英語で書かれています。活用するためには、一定レベル以上の英語力を備えていることが前提となります。

 

そもそも、受験の手続きをしていく段階から、英語のメールや文書を通じてACCA協会とコミュニケーションを取らなければなりません。日本語でのサポートは一切ございません。

英語力が不十分ですと、スタートラインに立つことすらできないわけですね……。

 

以上のように、ACCAを受験するためは、ある程度ハイレベルな英語力が要求されると考えられます。いわゆる“英語を英語のまま”理解できることは必須でしょう。

現在インターネット上で確認できるACCAの日本人合格者(この方とかこの方とか)が皆さま英語が堪能な方々ばかりであることからも、「ACCAの受験には高度な英語力が必要」であることは見て取れると思います。

ACCAで学習する内容に関して既にどこかで勉強をした経験

さすがに、「今までの人生、簿記や経営学といったことには全くの無縁で生きてきました!」という方ですと、ACCAの受験では相当苦労すると思われます。

 

先ほど、「ACCAは洋書の教科書を使って勉強をしなければならない」と申し上げました。

ここに一つ、大きな問題が生じます。

それは、教科書だけで知識の理解やインプットを完結させることが極めて困難だということです。

 

この記事(外部リンク)によりますと、言語能力には「会話言語能力」「学習言語能力」の2種類のレベルが存在します。

そして、英語を「学習言語能力」のレベルにまで習得している日本人は、非常に数が少ないのです。

 

要約しますと、

“英語が堪能”と言われる日本人でも、実は、学問的な内容を英語だけでゼロから理解できる人は皆無に近い。

ということです。

 

そして、ACCAで学習することも、まさに「学問的な内容」です。

“英語が堪能”な人であっても、結局のところ日本語で理解しなければ頭に入らないでしょう。

 

そうしますと、英文のテキストを使用せざるを得ないACCAの試験勉強においては、教科書に書かれている内容を日本語の資料(書籍やインターネットetc)で補完するという過程が、どうしても必要になってきます。

一方、既に日本語で学習済みの内容であれば、この過程をスキップすることが可能です。

 

以上のように、ACCAの勉強の大変さは、事前にどれだけの前提知識を持っているかで大きく左右されると言えます。

簿記、財務会計、管理会計、経営学、経済学、法律学、租税法、監査論、コーポレートファイナンス、等々……。今までの人生の中で、これらの学問を一つでも多く学習した経験があればあるほど、受験のハードルが劇的に低くなることでしょう。

反対に、これらの学問に全く触れたことがない状態でACCAの学習を開始しますと、非常に厳しい闘いを強いられるのではないでしょうか……。「英語のテキストの内容」と「日本語での理解」とのギャップを埋める作業だけでも、膨大な量になってしまうと思われます 汗

人に頼らず自分の力だけで試験勉強や情報収集を完結できる能力

現状、日本には、ACCAの受験をサポートしてくれる予備校は一つも存在しません。

したがって、ACCAの試験勉強は、(海外の予備校等を利用するという手段を除けば)独学で取り組む以外に方法がございません。

 

独学で勉強せざるを得ないのだから、独学の能力が必要である……。

非常にシンプルな理屈ですね!

 

また、「予備校が無い」ということにも関連しますが、日本では、ACCAの試験に関する情報が非常に手に入りにくいです。個人レベルで情報を発信している記事やサイトはちらほらと見受けられるのですが(当サイトもその一つですね!)、企業レベルで体系的・網羅的に情報を編纂したサイトは未だに存在しません。

そのため、試験に関する最新情報を入手したり、自分に適した勉強方法を見つけ出したり等、受験に必要な情報を集めるためには、

インターネット上で断片的に転がっている情報をかき集めてきて、それらの真偽や適否を自分の頭で考えて取捨選別していかなければなりません。また、時には、ACCA協会や海外のサイトにアクセスして、自ら積極的に情報を取りに行くことも必要となります。

 

以上のように、ACCAの受験を進めるためには、主体性が非常に重要となってきます。

「予備校に与えられた課題を粛々とこなしていけば最終的に合格できる!」というところからは、大きくかけ離れています。

むしろ、課題を見つけ出すところから、自分自身で行わなければなりません。

 

個人的な雑感ですが、日本では“独学力”が軽視され過ぎているように感じます。

幼い頃から大学受験に至るまで、「勉強=塾に通わせなければならない」と誰もが信じて疑いません。

大学に入学してからも、資格試験や公務員試験に挑戦する人たちは、皆こぞって予備校に通います。十分に検証をしたわけでもないのに、「独学なんて絶対に合格できない!」というのが、受験界隈での絶対的な通説となっています。

さらに、勉強だけに限らず、就職してからも、“何も考えず黙って会社や上司の指示に従う”ことが美徳だと、長年にわたって考えられてきました。“自ら主体的に問題や課題を見つけ出し、その解決に取り組む”という姿勢とは全くの対極です。

 

このように、わが国においては、“独学力”を養うという発想が極めて乏しいと言わざるを得ません。むしろ、「独学=悪」と思われている風潮すらあります。

日本人がACCAに挑戦するにあたって最大のハードルとなるのが、英語力でも会計等の前提知識でもなく、実はこの“独学力”なのかもしれません。

 

 

それでは、今回はここまでです。

今回の内容をまとめますと、ACCAを受験するにあたって前提となる「能力」は、

① 英語力
② 前提知識(会計や経営学etc)
③ 独学力(一番重要!!)

であると考えられます。

 

次回、『②「環境」の問題』編に続きます。

 

ご閲読ありがとうございました!

 

 


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