お久しぶりです、クマガワ(@Kumagawa_Pro)です!
半年以上ぶりの更新となってしまい、大変恐縮です……。
さて、前置きは抜きにしまして、
先日12/14(月)と15(火)、英国勅許公認会計士(ACCA)の試験を受験してまいりました。科目はAAとTXでした。
そして、今回の試験ですが、なんと!
自宅でのリモート試験でした!!
今年2020年、COVID-19(新型コロナウィルス)が世界中を大混乱の渦に陥れました。
その影響を受け、様々な資格・検定試験が延期や中止等の対策を迫られました。それはACCAも例外ではありませんでした。
2020年9月の試験以降、当面の間、一部の地域(もしかしたら「全部」かもしれません)ではテストセンターでの試験が実施されないことになりました。日本の試験会場も停止の対象でした。
しかしながら、さすがは『世界中にACCAの資格を普及させようと全力で頑張っている』ことに定評のあるACCA協会です。代わりの手段を用意してくれてありました。
その“代替手段”こそが、リモート試験(Remote exams)です。受験生が自宅等で自前のPCを使って試験を受ける道を築いてくれたのです!
そして、かく言う私クマガワ自身も、先日このリモート試験の制度を利用してAAとTXのテストを受験してきたわけでございます。
2020年12月現在では、
「ACCAを受験している(受験したことがある)日本人」というだけでも相当珍しいのに、
「ACCAのリモート試験を受験したことがある日本人」というのは、冗談抜きで両手の指で数えられる程度の人数しかいないかもしれません。なにせ、リモート試験は今年初めて導入されたのですから。
今回は、そんな「超・超貴重な体験」を、私の備忘録がてら皆様にお話しさせて頂きたいと思います!!
なお、リモート試験の概要的な内容も交えて原稿を書いておりましたら、思いのほか分量が多くなってしまいました……。そこで、2つに分割して投稿させて頂きたいと思います。
前編の記事では、リモート試験を受ける前の事前準備(+試験の日程や時間帯)についてお話しいたします。
※なお、後編はこちらです。
はじめに:大きく分けて2つの事前準備が必要です。
「試験を自宅で受験できる」とはいっても、当然ながら、どんな環境でもOKというわけではありません。主に不正防止の観点から、何点かクリアしなければならない条件があります。
・試験を受ける場所(部屋)
・PCのスペックやインターネット環境等のシステム面
の2点について、ACCA協会が定める基準を満たすことが必要です。
場所(部屋)について
まず、試験を受ける際、自室をどんな状態にしておかなければならないかについてです。
この点について、ACCA協会は以下の条件をアナウンスしています。
- A completely private place with no one else in the room and nobody visible through windows or glass panels.
- A lockable door so you can avoid any breaches during the exam.
- A quiet space avoiding any obvious ambient noise and unexpected audio interruptions such as music, street noise or groups of people.
- A well lit space to help you remain alert and easily visible to us via your webcam.
※引用元はこちらのPDFです。
要するに、
① あなた1人だけでいられる部屋にして下さい。窓等から他人が見えるのもダメです。
② 鍵付きの部屋にして下さい。試験中誰も入ってこられないように。
③ 静かな部屋にして下さい。外の騒音も注意です。
④ 明るい部屋にして下さい。試験中はWebカメラであなたを監視しますので。
ということですね。
……皆様、どうでしょう?
ご自身の状況に置き換えてみて、これら4つの条件をクリアすることはできそうでしょうか?
まず、一人暮らしの方であれば、①と②は全く問題無いかと思います。お住まいの物件そのものが「自分1人だけしか入れない鍵付きの部屋」ですので。
ただ、人によっては③(=静かな環境の確保)が厳しいかもしれません。特に都会の一人暮らしですと、利便性を重視してにぎやかな場所に住むことも多いと思いますし。しかも、周りの騒音は自分ではどうしようもありませんので、殊更悩ましいですよね……。
この「周囲の雑音問題」に対して多少なりとも対策ができるとしたら、試験開始の時間を慎重に選択することでしょうか。後述しますが、今回のリモート試験では、試験が始まる時刻を様々な時間帯から選ぶことができました。その選択肢の中から、比較的騒音が少なくなる時間帯で受験すれば、大なり小なりましになるのではないでしょうか?
一方、ご家族やご友人等、同居人がいる方の場合、①や②にもかなり気を遣うことになりそうです……。
国土が狭い日本における住宅事情を考えますと、自分一人が専用で使える部屋がそもそもご自宅に無い方も多いと思います。その場合は、「〇月〇日の△時から△時までは、この部屋を専用で使わせてほしい」ですとか、最悪の場合「外へ出掛けていてくれないか?」とか、ご家族等にお願いしなければなりませんね……。
また、幸いにも広いお宅にお住まいで個室を用意できる方であっても。“鍵付き”の部屋となりますと、日本ではなかなか珍しいのではないでしょうか? ただ、条件②の趣旨は「試験中に誰も部屋に入ってこないようにして下さい」ということですので、試験本番中は絶対に入室してこないよう事前にご家族等にお願いしておけば、“鍵付き”の部分はあまりこだわる必要はないのではないでしょうか?(※私の個人的な見解であり、確証はありません。くれぐれも自己責任でお願い申し上げます……)。あるいは、以下のようなアイテムを使って扉を“鍵付き”に変えてしまうのも一つの手かもしれません。
いずれにしましても、自宅で円滑にリモート試験を受験するためには、ご家族等の協力が必要不可欠です(当たり前といえば当たり前ですね 汗)。日頃から良好な関係を築いておき、協力をお願いする際には誠心誠意をもってお話しすることが、“事前準備”として一番大事になるかもしれませんね!
……以上、「どうしたらACCA協会が求める部屋の基準をクリアできそうか?」についてあれこれ語ってまいりましたが、結局のところ、人それぞれ事情が大きく異なるかと思います。受験を予定されている方は、以上の内容を参考にされつつも、ご自身の状況に照らし合わせて最適な判断をして下さい。
なお、どうしても自宅ではリモート試験に適した環境を用意できそうにない場合には、いわゆるレンタルルームの利用を視野に入れるのはいかがでしょうか?
システム面について
次に、リモート試験は、自前のPCやインターネット環境を利用した試験です。当然ながら、試験の実施に耐えうる性能を有した機器を用意する必要がございます。
この点、前掲のPDFでは色々と細かな内容が書かれております。
ただ、ご自身のPCやインターネット環境が基準をクリアしているかどうかは、ACCA協会が用意しているシステムテスト(system test)を受ければ一発でわかります(https://home.pearsonvue.com/acca/onvue から受けることができます)。
なお、このシステムテストでは、主に以下の3点がチェックされます。
① 一定以上の品質が保てるインターネット環境かどうか?
② Webカメラが装備されており、かつ一定以上の品質かどうか?
③ 音声マイクが利用可能であり、かつ一定以上の品質かどうか?
①は、リモート試験がインターネットを介して実施されるものである以上、当然不可欠な条件ですね。
②及び③は、不正防止が主な目的だと思われます。試験中、不正行為をしていないか、部屋に誰かが入ってきていないかをカメラで監視したり、部屋の外から誰かがアドバイスを送っていないか、受験生が問題を音読していないか(※問題文の音読は禁止されています)を音声でチェックしたり、そういった目的のためにWebカメラと音声マイクが要求されているのでしょう。
いずれにしましても、システム面の問題は、多少お金をかければどなたでも解決が可能です。万が一システムテストをクリアできなかったとしても、焦らずにまずは今一度、ご自身のPCやインターネットの設定を見直してみて下さい。その上で、設定ではなく機能の問題だと判明した場合には、将来のためだと思って必要な設備投資をいたしましょう!
なお、部屋の問題にしても、システム面のことにしても、より正確で詳細な情報はACCA協会のHPをご参照いただけましたら幸いです。
https://www.accaglobal.com/ca/en/student/exam-entry-and-administration/computer-based-exams/remote-session-exams/before-you-book.html
補足:試験の日程及び時間帯について
通常、ACCAの試験(※BT、FA、MA、LWの4科目を除く)は、3、6、9、12月の四半期に1回、各月の最初の月曜日から始まる平日5日間を利用して行われるのですが(科目ごとに曜日が決まっています)、2020年12月の試験では、なぜか一部の科目は翌週5日間も実施されました。
これにより、元々私は12/7(月)と8(火)に受験をする予定だったのですが、1週間後ろ倒しにして14(月)及び15(火)に変更することができました。今回受験したTXとAAは、私にとっては全13科目のうち1番目と2番目にやっかいな科目だと思っていたので、勉強期間を1週間増やすことができて少し助かりました!
また、試験の時間帯についても、平時とは事情が大きく異なりました。
いつもであれば、科目ごとに試験開始の時刻は一つに決められているため(当然、時差を考慮するので、国ごとに時刻は異なりますが)、選択の余地はありません。しかしながら、今回私が受験したリモート試験では、かなり幅広い選択肢の中から試験開始の時刻を選ぶことができたのです! うろ覚えの記憶であり、かつ、今となっては2020年12月試験の予約画面にアクセスできませんので不正確な情報となってしまうのですが、確かお昼過ぎから夜間にかけて非常に幅広い開始時刻が用意されており、なおかつ15分刻みくらいで選べたため選択肢の“数”もかなり多かったです。
このおかげで、たとえば前述の「どうやって自室をリモート試験に適した環境にアレンジするか?」問題に関連して、周囲の騒音が少なくなる時間帯を選んだり、家族が出掛けている時を選択したり、そういった配慮をしやすくなると言えるでしょう。そうでなくとも、自分自身の仕事や予定等との兼ね合いから柔軟に試験時間を設定できるのは実に有難いですよね!
ちなみに私クマガワは、両日とも18:15スタートを選択しました。
・昼間は自宅裏の専門学校の生徒さん達が非常に元気でにぎやか 苦笑
・有給休暇を取ったので昼間に“最後の追い込み”ができる。
といった理由からです。
前編はここまでです。ご閲読ありがとうございました!
是非とも後編もお読み頂けましたら幸いです!!
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