MA(Management Accounting)

MA(Management accounting)の概要

どうも、クマガワ@Kumagawa_Pro)です!

ここ数週間ほどは、新型コロナウィルスの影響でプライベートの予定がことごとくキャンセルとなり、ひたすら勉強に励んでおりました…… 汗

 

というわけで(?)、一昨日、2020年3月27日、

ACCA(英国勅許公認会計士)のMA(Management Accounting)という科目の試験を受けてまいりました。

結果は無事に合格、スコアは100点中88点(50点で合格)でした。

これで、Fundamental LevelのKnowledge Moduleの3科目は、全てクリアです!

 

勉強時間は1か月ほどでした。

今までの3科目の中でぶっちぎりに少ないのですが、これもひとえに、コロナの影響ですね……。

家にこもって勉強に集中できたのは、まさに読んで字のごとくの『不幸中の幸い』でした 汗

 

さて、前置きはここまでにしまして、

前回のABの試験の時と同じように、今回私が受験したMA(Management Accounting)という科目が一体どんなものなのか?

 

MA(Management Accounting)の概要

 

をお話ししたいと思います。

 

※なお、今回の記事は、全体を通して2020年3月現在の情報を元に作成されています。

 

MAの全体像

まずは、MAという科目の全体像を見ていきます。

以下、私が使用したテキスト(BPP出版のもの)の「目次」からの抜粋です。

Part A: The nature, source and purpose of management information
1. Accounting for management
2a. Source of data
2b. Presenting information
3a. Cost classification
3b. Cost behaviour

Part B: Data analysis and statistical techniques
4a. Forecasting
4b. Summarising and analyzing data

Part C: Cost accounting techniques
5. Accounting for materials
6. Accounting for labour
7a. Accounting for overheads
7b. Absorption and marginal costing
8a. Process costing
8b. Process costing, joint products and by-products
9a. Job, batch and service costing
9b. Alternative costing principles

Part D: Budgeting
10a. Budgeting
10b. The budgetary process
11. Making budgets work
12a. Capital expenditure budgeting
12b. Methods of project appraisal

Part E: Standard costing
13. Standard costing
14a. Cost variances
14b. Sales variances and operating statements

PartF: Performance measurement
15. Target setting
16. Financial performance measurement
17. Assessing non-financial performance

以下、私なりに和訳・意訳です。

Part A: 管理に用いる情報の性質、情報源および目的
1. 管理ための会計
2a. データの取得源
2b. 情報の提示
3a. 原価の分類
3b. 原価の動き方

Part B: データの分析と統計学的な技法
4a. 予測
4b. データの要約および分析

Part C: 原価計算の技法
5. 材料費の計算
6. 労務費の計算
7a. 間接費の計算
7b. 全部原価計算と直接原価計算
8a. 総合原価計算
8b. 総合原価計算における連産品と副産物
9a. ジョブ、バッチおよびサービス原価計算
9b. 代替的な原価計算の考え方

Part D: 予算
10a. 予算
10b. 予算作成のプロセス
11. 予算作成の作業
12a. 資本的支出の予算
12b. プロジェクト評価の方法

Part E: 標準原価計算
13. 標準原価計算
14a. 原価差異分析
14b. 売上差異分析および営業報告書

PartF: 業績の測定
15. 目標の設定
16. 財務的業績の測定
17. 非財務的業績の評価

 

各項目の内容及びポイント

次に、「目次」の各項目について、一つずつ見ていきたいと思います。

それぞれの項目について、内容の簡単な説明試験を攻略する上で重要だと感じたポイントを述べていきます。

Part A: The nature, source and purpose of management information

1. Accounting for management

(内容)

科目名でもある管理会計(Management accounting)の導入的な内容です。

 

(ポイント)

導入的な内容ということもあり、分量も少なく、試験での重要度も高くないように思われます。

情報(information)データ(data)の違い

「戦略的(Strategic)」「戦術的(Tactical)」「業務的(Operational)」の違い

管理会計財務会計の違い

あたりを押さえておけばOKでしょう。

 

2a. Source of data

(内容)

データの種類や取得源、データを抽出する方法について学びます。

 

(ポイント)

一次情報(Primary data)と二次情報(Secondary data)の違い

・データの抽出法(Random sampling, Stratified random sampling, Cluster Sampling, Quota sampling etc)

あたりが頻出です。

 

2b. Presenting information

(内容)

情報を提示する手法について学びます。

各種グラフ(棒グラフ、円グラフ、点グラフ、線グラフetc)についての説明が大半を占めます。

 

(ポイント)

「このデータは、円グラフではどれくらいの角度を占めるか?」という問題にやたらと出てきた印象があります。

たとえば、全体が$1,000,000で、対象のデータが$400,000なら、

「400,000÷1,000,000×360 = 144°」といった具合です。

 

3a. Cost classification

(内容)

まず、そもそもですが、管理会計の学習において、原価計算(Costing)はかなり重要な地位を占めます。日本の公認会計士の試験とかですと、「管理会計≒原価計算」といっても差し支えないくらい、原価計算の勉強に時間を費やすことになります。

そして、この「Cost classification」という項目では、「原価」を様々な視点から分類していきます。また、原価計算において基礎となる用語(例:Cost centres, Cost units, etc)も説明されます。

 

(ポイント)

この項目に出てくる内容が試験で直接訊かれることはあまりないように感じます。

しかしながら、後に続く原価計算の各論点は、この項目に出てくる用語をしっかりと理解していることが前提で説明されますので、手を抜かずに学習すべきです。

 

3b. Cost behavior

(内容)

『生産量と原価の発生額との関係』という視点で原価を分類する方法について学びます。

・生産量が増えても原価の発生額は変わらないのか?(固定費:Fixed costs

・生産量と比例して原価の発生額が増えていくのか?(変動費:Variable costs

・生産量と比例して増えていくが、生産量がゼロでも一定額は発生するのか?(準変動費:Semi-variable cots / 準固定費:Semi-fixed costs

・その他

といった具合です。

 

(ポイント)

まず、「原価の性質についての説明文」と「グラフの形」を結び付けられるようになることが大事です。

たとえば、水道光熱費について、「一定の基本料金が設定されており、使用量に応じて追加で課金される。ただし、使用量がある一定の水準に達すると、それ以上の課金は無い」という性質がある場合、横軸に使用量、縦軸に使用料金の総額を取ると、どのような形のグラフになるでしょうか?

 

さらに、(生産量、原価の総金額)の組合せのデータがいくつか与えられて、

そこから、「y = ax + b」の関係を導き出して、変動費の料率(= a)固定費の金額(= b)を算出できるようになる必要もあります。

MAの試験に出てくるのは、最も簡単な「高低点法(The high-low method)」がほとんどです(ごく稀に、最小二乗法を絡めた出題もあったと記憶しております…)。「2点を通る直線の数式を書け」という、中学生レベルの一次関数ができれば難なく解答可能です。

 

Part B: Data analysis and statistical techniques

4a. Forecasting
4b. Summarising and analyzing data

(内容)

どちらも統計学に関する内容を学習していきます。

標準偏差や相関係数といった、統計学ではお馴染みの用語が目白押しです。

さらに、確率変数を標準化(z = (x – μ)/σ)して、標準正規分布を使って一定の数値が出現する確率を求めるという、統計学をそれなりにしっかりと勉強した人でないと理解が難しい操作も要求されます。

 

(ポイント)

正直、数学アレルギーの方には、かなり厳しい内容だと思いました……。

どうしても理解ができなければ、「捨てて」しまうのもアリだと思います 汗

 

例外として、価格指数に関する計算問題は比較的易しいですので、最低限これだけでも押さえておくとよいでしょう。

 

Part C: Cost accounting techniques

5. Accounting for materials

(内容)

材料費に関する内容です。

……といっても、発注に関連する事柄が論点のほとんどを占めます。

 

(ポイント)

Reorder level、Minimum level、Maximum level

経済的発注量(EOQ:Economic Order Quantity)

の計算ができるようになることが重要です。

 

①は、なかなか数式が覚えにくいのですが、それでも、試験では割とよく出題されますので、暗記は必至です。

 

②は、経済的発注量そのものが計算できるようになるのは勿論のこと、

経済的発注量の公式を導き出す前提となっている、

必要な量の材料を発注するコストの総額

材料の保管にかかるコストの総額

をどのように計算するかも知っておく必要があります。

 

6. Accounting for labour

(内容)

労務費に関する内容です。

 

(ポイント)

試験で直接訊かれるのは、

Efficiency ratioCapacity ratioProduction Volume ratioの計算

Labour turnover rateの計算

あたりです。

 

①ですが、ただ数式を覚えようとするだけでは、絶対に忘れると思います。

それぞれの差異が何を表しているのか、『言葉で』説明できるようになることが大切です。

ちなみに、14a. Cost variancesに出てくる固定間接費の差異分析においてもEfficiencyとCapacityの考え方は再登場します。その意味でもやはり、『言葉で』しっかりと理解しておくのが大事になるでしょう。

 

②ですが、分子の「Replacement」を「新たに採用した人数。ただし、同じ時期に退職した人数が上限値」と言い換えたら、かなり理解しやすくなりました(クマガワの個人的感覚調べ、ですが 笑)

 

7a. Accounting for overheads

(内容)

製造間接費(Production overheads)に関する内容です。

製造間接費とは、製品の製造に関する費用のうち、特定の製品に直接関連付けるのが難しいコストのことです。たとえば、工場の電気代や、複数の製品に使用する塗料や接着剤などの消耗品などが該当します。

 

原価計算においては、個々の製品ごとに原価を計算する必要があります。

そのため、特定の製品に直接負担させることができない製造間接費は、何らかの基準(製造に掛かった作業時間をベースにするetc)に基づいて、個々の製品に対して振り分けを行わなければなりません。

7a. Accounting for overheadsにおいては、この“製造間接費の振り分け”に関する内容を中心に学習していきます。

 

(ポイント)

出題頻度が高く、難易度も高めなのが、『部門別計算』に関する計算問題です。

 

切削部門や組立部門、保守部門や倉庫部門というように、複数の部門をもつ工場における原価計算では、

① 製造間接費を、まず、各部門に対して振り分ける。

② サービス部門(保守部門や倉庫部門etc)に振り分けられた製造間接費を、製造部門(切削部門や組立部門etc)に振り分ける。

③ 製造部門に振り分けられた製造間接費を、各製品に対して振り分ける。

というプロセスをたどって、製造間接費の振り分けを行います。

 

特に、②のプロセス(サービス部門⇒製造部門への振り分け)には様々な手法が存在し、

中でも、連立方程式法(The repeated distribution (or reciprocal) method)においては、その名の通り、連立方程式を立てて問題を解く必要がありますので、少々難易度が高めです。

 

7b. Absorption and marginal costing

(内容)

全部原価計算(Absorption costing)直接原価計算(Marginal costing)の違いについて学習していきます。

 

キーワードは、固定費(Fixed costs)の取り扱い方です。

全部原価計算においては、期末で未完成の製品(=仕掛品)や売れ残っている製品に対しても固定費が振り分けられるように原価の計算を行います。その結果、費用は発生済みなのに、その期の費用(=売上原価)として計上されない部分が出てきます。

一方、直接原価計算においては、固定費を発生した期に全額を費用として計上します。

 

外部報告用の財務諸表を作成する場合には、会計基準上、全部原価計算にしたがって、売上原価や製造原価、仕掛品や期末製品を計算することが求められます。すなわち、財務会計上は全部原価計算を採用しなければならないということです。

しかしながら、固定費は、製品の生産量や売上量とは対応しない費用であるため、原価の管理を行う目的では、製品とは関連付けずに、シンプルに一括で費用計上した方が扱いやすいという事情があります。そこで、管理会計上は直接原価計算が好まれます。

 

(ポイント)

上で述べたような、全部原価計算と直接原価計算の違いについてしっかりと理解することが重要です。

また、計算問題として、『全部原価計算⇔直接原価計算の利益の変換』が非常によく出題されます。全部原価計算で計算された利益の金額(と補足情報)が与えられて、直接原価計算で計算した場合の利益の金額を訊かれたり、あるいはその逆といった問題です。

 

8a. Process costing

(内容)

総合原価計算(Process costing)について学習していきます。

総合原価計算とは、大量生産の形態で製品が生産されている場合に原価計算のことです。

『パズルを解いている』かのような論点が多い管理会計の中でも、より一層“パズル感”の強い分野だと思います 笑

 

(ポイント)

個別の論点としては、仕損・減損(Loss)の取り扱い方、完成品換算量(Equivalent units)の考え方、先入先出法(FIFO)と平均法の違い、といった項目がございます。

 

しかしながら、重要なのは、それぞれの解き方を『覚える』ことではありません。

「なぜ、そのような処理をするのか?」を『理解する』ことがとても重要です。

前述の通り、総合原価計算は “パズルのような性格”がきわめて強いため、付け焼刃の暗記では歯が立ちません。

 

8b. Process costing, joint products and by-products

(内容)

総合原価計算における連産品(Joint products)副産物(By-products)について学習をします。

 

連産品も、副産物も、一つの製造工程で複数の種類の製品が生産される場合に使われる言葉です。

このうち、連産品(Joint products)は、同時に生産された複数の製品の価値が、それぞれ大きくは異ならないケースです。たとえば、原油からは、重油や軽油、ガソリン、灯油などが同時に精製されますが、これらはそれぞれ、どれか一つがメインで他がオマケというわけではありません。したがって、いずれも連産品ということになります。

反対に、副産物(By-products)は、同時に生産された複数の製品のうち、相対的に価値が小さい製品のことです。たとえば、豆腐を作った際、同時におからという副産物ができるというのは、非常に有名な話でしょう。

 

(ポイント)

8a. Process costingと同様に、問題の解き方を『覚える』のではなく、「なぜ、そのような処理をするのか?」を『理解する』ことが重要です。

 

9a. Job, batch and service costing

(内容)

ジョブ原価計算、バッチ原価計算、サービス原価計算について学習をします。

……和訳せずにカタカナのままの名称にしてしまっておりますが、公認会計士試験の勉強をしていた頃の記憶をたぐり寄せても、今改めてネットの海を探してみても、該当する日本語の専門用語が見付かりませんでした 汗(一応、ジョブ原価計算は、「個別原価計算」だと言えないこともないですが)

 

(ポイント)

重要性も低く、難易度も高くありません。

練習問題を解く過程で習熟していけば十分でしょう。

 

9b. Alternative costing principles

(内容)

伝統的な原価計算に代わる手法について、学習していきます。

 

(ポイント)

活動基準原価計算(Activity Based Costing:ABC)は、日本での知名度も高く、BPPのテキストもそれなりに多めのページ数を割いて解説をしているのですが、なぜか、練習問題ではほとんど遭遇しませんでした。

むしろ、TQM(Total Quality Management)Target costingに関する出題に数多く出会った覚えがございます。特に後者は、『Target cost = competitive market price - desired profit margin』という数式を使う場面がやたらと多かった印象です。

 

Part D: Budgeting

10a. Budgeting

(内容)

予算(Budgeting)に関する総論的な内容です。

 

(ポイント)

まず、Profit centresRevenue centres、そしてInvestment centresの違いについて、しっかりと理解する必要があります。

「以下の中から、Revenue centresが管理の責任を持つべき項目はどれか、2つ選べ」というような問題が、割とよく出題されるからです。

 

また、Fixed budgetFlexible budgetの考え方も要チェックです。

管理会計においては、「差異分析」が非常に重要な論点なのですが(後の14a. Cost variancesや14b. Sales variances and operating statementsにおける中心テーマでもあります)、

差異分析においては、「予算(Budgeted)」と「実際(Actual)」だけではなく、「標準(Standard)」の数値はいくらなのか? を常に意識することがコツとなります。

Flexible budgetは標準(Standard)に相当するものですので、扱い方に慣れておくことは非常に重要です。

 

最後に、Excel(Spreadsheet)の使い方に関する問題もよく出てきます。

「このセルには、どのような数式を入れるべきか、答えよ」みたいな感じです。

日頃から仕事でExcelを使っている方であれば、特に勉強することなく、難なく解けてしまうとは思いますが 汗

 

10b. The budgetary process

(内容)

予算と一言で言っても、売上予算(Sales budget)や製造原価予算(Production cost budget)、材料仕入予算(Material purchase budget)や現金収支予算(Cash budget)と、いろいろな種類があります。

この章では、様々な予算同士の相互関係について学習するのが中心テーマです。

 

(ポイント)

『売上の目標を決めるとこからスタートとし、製品の期末在庫の目標も定め、そこから製造数の目標が決まり、さらに材料の期末在庫の目標を定めると、材料の購入量の目標も決まっていく……』というように、予算同士のサイクル関係を想像できるようになることが大切です。

 

また、現金収支予算(Cash budget)については、計算問題で割とよく出てきます。

複数の月に関する売上や売掛金の情報を与えられて、「〇月には、いくらの入金があるか、計算せよ」というような問題です。

 

11. Making budgets work

(内容)

組織内における予算、と呼べるような内容です。

 

(ポイント)

計算問題の出題はなく(少なくとも、私は確認できませんでした)、文章問題での出題となります。

・予算が従業員のモチベーションに与える影響は?

・トップダウン(あるいはボトムアップ)で予算を作成するとどのような影響が出るか?

といったテーマで出題されます。

文章問題対策の常套手段ではありますが、

テキストを『暗記』して対応しようとするのではなく、

鍵となるポイントを『理解』して、ある程度想像も働かせつつ解答していくのがベストです。

 

12a. Capital expenditure budgeting

(内容)

資本的支出(Capital expenditure)に関する予算について学習します。

 

資本的支出(Capital expenditure)とは、固定資産の修理、改良などのために支出した金額のうち、その固定資産の使用可能期間を延長または価値を増加させる部分をいい、取得原価に含まれます。

対義語は、収益的支出(Revenue expenditure)で、期間費用として処理される支出です。有形固定資産の場合であれば、通常の維持管理又は原状回復のための支出などが該当します。

(※参考)EY新日本有限責任監査法人様のHP

 

(ポイント)

資本的支出(Capital expenditure)と収益的支出(Revenue expenditure)とを区別できるようになること、これに尽きると思います。

 

12b. Methods of project appraisal

(内容)

投資のプロジェクトを評価する手法について学びます。

NPV(Net Present Value:正味現在価値)IRR(Internal Rate of Return:内部収益率)

といった、金融論やコーポレートファイナンスではお馴染みの内容を学習していきます。

 

(ポイント)

何よりもまず、『複利』や『時間価値』の考え方を、しっかりと頭の中に染み込ませるのが大事です!

これらは「金融リテラシー」の基礎中の基礎となる概念です。ここら辺がおろそかですと、コーポレートファイナンス系の論点は全滅してしまうと言っても過言ではないくらい、超重要です。

『複利』や『時間価値』の考え方をしっかりと理解した上で、前述のNPVやIRRといった、個別の手法を習得していきましょう。

 

なお、この章も、Part Bの統計学と同様、数学アレルギーの方にはなかなか厳しいかもしれません……。

ただ、後のModuleで登場するFM(Financial Management)という科目は、この章で出てくる内容をさらに発展させて、それだけで単独の科目にしてしまったような感じです。

ですので、ACCAの最終合格を目指す以上は、数学嫌いでもこの章を「捨てる」ことは許されないでしょう 汗

 

Part E: Standard costing

13. Standard costing

(内容)

標準原価計算(Standard costing)に関する導入的な内容です。

 

標準原価計算(Standard costing)とは、会計年度のはじめに研究や試作、過去の経験などに基づいて原価の目標となる標準原価を算定しておき、この標準原価を用いて原価の計算や管理を行う手法のことです。実際に発生した原価を用いる「実際原価計算」とは対になる考え方です。

 

(ポイント)

この章は導入的な内容ですので、試験で直接訊かれることはほとんどありません。

ただし、当然ながら、この章の内容を理解していないと、後に続く論点も理解が難しくなります。その意味で、しっかりと学習する必要があります。

 

ただし、例外的に、標準を設定する際のIdeal、Attainable、Current、Basicの考え方の違いは、試験での出題可能性がございます。

 

14a. Cost variances

(内容)

標準原価計算における差異分析について学習します。

 

標準原価計算のもとで計算された原価の数値は、あくまでも「標準的」なものであり、実際の金額とは異なります。そのため、企業の財務諸表を作成する際は、標準と実際の差異を算出し、追加で計上をしなくてはなりません。

また、標準と実際の差異について、その要素や原因を分析することにより、将来の業務改善へとつなげることができます。

 

この章では、こういった「標準と実際の差異の計算や分析」について学んでいくというわけです。

 

(ポイント)

総合原価計算(8aと8b)に続いて、管理会計における『パズルを解いているかのような

論点』の “その②” です。

解き方を『覚える』のではなく、「この差異はいったい何を表しているのか?」を言葉で説明できるように『理解する』ことが重要となります。

 

また、10a. Budgetingでも前述しましたが、「標準(Standard)」の数値はいくらなのか? を常に意識することが大切です。

具体的には、「標準(Standard)」とは、実際の生産量に1単位当たりの標準原価を掛けた数値になります。標準の生産量に標準原価を掛けた数値は「予算(Budgeted)」に相当します。

この考え方は、特に、固定間接費の差異分析を行う際に重要となってきます。

 

なお、日本の教科書で工業簿記や管理会計を学習したことがある方ですと、

製造間接費を分析する方法について、違和感を覚えると思います。

日本では、いわゆるシュラッター図を使って、変動費と固定費を同時に分析する方法が主流です。

しかしながら、ACCAのテキストでは、変動費と固定費を完全に分離して、それぞれ異なる方法で分析するという手法を採っています。

(個人的には、ACCA流(=イギリス流?)のやり方の方が分かりやすいと思いました)

 

14b. Sales variances and operating statements

(内容)

売上の価格や数量について、実際と目標(=予算や標準)との相違がもたらす利益の差異を分析する手法を学習していきます。

 

また、前章のCost varianceの内容と合わせて、利益の差異を収益面と費用面から一気通貫で分析することも学んでいきます。

 

(ポイント)

工業簿記や管理会計の学習経験がある人でも、

売上に係る利益の差異を分析する手法は、あまり馴染みがないと思われます(日本の管理会計は、原価の管理に主眼が置かれていますので……)。

特に、販売数量に係る差異分析において、「差異の分析に【利益】の金額を用いる」という考え方は、最初は面を食らうかもしれません(現に、私はそうでした……)。

 

また、「予算(Budgeted)」、「標準(Standard)」または「実際(Actual)」のいずれかの数値と補足情報が与えられた上で、他2つのどちらかを答えさせる問題が頻出します。たとえば、実際の利益の金額と各種の差異の金額をもとに、予算の利益はいくらであったか計算せよ、といった感じです。

これの亜種で、差異の一部が不明になっていて、他の情報からその差異の金額を逆算させる問題もよく出てきます。

ここでも、「予算(Budgeted)」と「標準(Standard)」を混同しないようにすることが重要です。特に、Sales volume varianceを加味するかどうかに違いが出てきます(「予算(Budgeted)」なら加味し、「標準(Standard)」なら加味しない)。

なお、この手の計算問題において、【Contribution】についての出題の場合(Profitではなく)、Fixed系の項目に係る差異はすべて無視するということも忘れないようにして下さい。

 

最後に、直接原価計算(Marginal costing)においては、差異分析の手法が(全部原価計算とは)どのように変化するかも、試験で頻出の重要ポイントです。

 

PartF: Performance measurement

15. Target setting

(内容)

企業の目標設定についての内容です。

 

(ポイント)

計算問題はありません。

Mission、CSF(Critical Success Factor)、Short-termism、Benchmarkingといった専門用語が次々と出てきますので、意味を正確に把握したうえで、専門用語の数々を覚えていくことがこの章での課題となります(この章からの出題は正誤問題が中心になりますので、意味を正確に把握しておかないと、的確に解答することができません)。

 

16. Financial performance measurement

(内容)

財務的な業績を測定する手法等について学びます。

 

(ポイント)

ROCEやRI、売上高利益率、回転率、流動比率や当座比率、回転期間、負債比率やギアリング比率といった、

財務分析ではお馴染みの指標を理解し覚えることが、この章の中心テーマです。

 

また、財務分析の分野以外では、Cost controlValue analysisに関する専門用語を覚えていくことも、試験対策上は重要となります。

 

17. Assessing non-financial performance

(内容)

非財務的な業績を評価する手法について学びます。

 

(ポイント)

バランストスコアカード(BSC:Balanced scorecard)と、その4つの視点

Economy、Efficiency、Effectivenessの違い

・Efficiency、Activity、Capacity Ratiosの計算

あたりの内容が、出題可能性が高いという印象です。

 

総括

私クマガワが思う、MAという科目の特徴は、以下の2つです。

① 暗記量が少ない。
② 前提知識の有無で、攻略の難易度が大きく変わる箇所がある。

①ですが、Knowledge moduleの他の2科目(ABとFA)と比べても、かなり少ない印象です。実際に、他2つの半分ほどの勉強期間でクリアできました(コロナウィルスの影響で、家にこもってひたすら勉強していたということもありますが……)。

その反面、「暗記しているだけでは太刀打ちできない」という内容が多いです。というより、ほとんど全ての項目がそうだと感じます。

解き方を『覚える』だけでは不十分で、「なぜ、そのような処理をするのか?」を自分の言葉で説明できるくらいに、しっかりと『理解する』ことが本当に重要です。

 

②ですが、特にPart B: Data analysis and statistical techniquesと12b. Methods of project appraisalで顕著です。

それぞれ、統計学や金融論・コーポレートファイナンスを学習した経験がある人にとっては、非常に初歩的な内容です。ほとんど勉強をすることなく「得意分野」にすることができるでしょう(実際に私がそうでした 汗)。

一方、統計学や金融論に一切触れたことがなく、かつ、数学の勉強もあまりしてこなかった人にとっては、地獄のような難易度になると予想されます……。本気で克服しようとするならば、「管理会計の中の一分野」として片手間に勉強するのではなく、別途、統計学や金融論の入門書を読み解くなど、個別の学習が必要になるかもしれません。

 

いずれにしましても、クマガワ個人の感想としましては、

MAの勉強はとても楽しかった!

です。

 

細かい暗記を要求されることもなく、

解き方の「本質」さえ分かってしまえば、

サクサクとパズルのように解き進められる計算問題の数々をクリアしていくのは、

何とも言えない軽快で愉快な気持ちになれました♪

 

そんなわけで(?)、皆様も、数学や数式に物怖じすることなく、是非ともMA(Management accounting)の世界へと飛び込んでみて下さいませ! 笑

 

今回はここまでです。

ご閲読ありがとうございました!!

 

 


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